強い目の光を放つ男。その強さは,未来の姿をも変質させる。個人向け製品で一世を風靡した男が,企業向けサービスで新たな道を作ろうとしている。彼の先に,道ができていく。
94年にネットスケープ社を設立したマーク・アンドリーセン氏が,「VCellar」のコードネームで新会社設立の準備を進めている。その新会社は,アプリケーション・サービス・プロバイダ(ASP)市場を扱う。だがこの分野は現在,マイクロソフトやIBM,オラクルなどソフトウェアのトップ企業がしのぎをけずっている。アンドリーセン氏は,元ネットスケープ社のメンバーやインターネットのベテランなどを揃え,多くの会社からの出資が見込まれている中,因縁のライバル・マイクロソフトを打ち倒すチャンスを手にしようとしている。
ワイヤードの始まり,モザイクを開発した彼がネットスケープ社を設立したとき,まだ彼は22歳だった。イリノイ大学の学生だった彼らは,ネットスケープという万華鏡の中に,もうひとつの世界を作り上げていった。そこになんでもあることを教え,そこに自分の場所を持てることを教えてくれた。ウェブの基本理念となるハイパーテキストを創ったテッド・ネルソンやヴァニヴァー・ブッシュ(過去記事),ウェブの基本構造を造ったティム・バーナーズ・リー,ジョン・ポステル,ビント・サーフらがいたことは理解している。それでも,アンドリーセンの,センスと,革新さと,大胆さがなければ,今のワイヤードは存在していなかった。これはまぎれない真実。
ワイヤードには,そんな強い目の光を放っている人物が幾人かいる。そしてその視線の先に,未来が見える。ビル・ゲイツ(変な目の光を放ってる人ですね:-P)のマイクロソフトに徹底的に痛めつけられた男は,誰よりも早く,サーバーマシンも,その上で動くアプリケーションも,運用サービスも,すべて含めて提供するASPの繁栄をとなえていた。その目の光の先を,見逃すな!
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